トップメッセージ

船井総研グループは、
新たな「Re GROWTH(再成長)」ステージへ

株式会社船井総研ホールディングス
代表取締役社長
中谷 貴之

株式会社船井総研ホールディングス 代表取締役社長 中谷 貴之

前期の振り返りと今期について

2021年は私どもにとって、大きな転機となった1年でした。  下図は、2011年から2021年までの過去10年間の業績推移を示したものです。ご覧のとおり、当社は2011年より8年連続で増収増益を続けておりましたが、2020年は新型コロナウイルス感染症の影響もあり、一時的に業績がダウンしました。2020年は、当社グループにとって創業50周年を迎えた年でしたが、この節目となる年は苦難の1年となりました。
 そして迎えた2021年、当社は社内向けスローガンとして『Regain lost time(失われた50周年を取り戻そう)』を全社員に発信しました。このスローガンのもと、グループ社員が一致団結し、事業に取り組んだ結果、増収増益はもとより、過去最高の売上高・利益を達成することができました。
 現中期経営計画(2020年~2022年)の最終年度にあたる今期は、新たなスローガンとして『Re GROWTH(再成長)』を掲げております。「コロナ禍においても船井総研グループは強く成長軌道を描いている」とステークホルダーの皆様にご評価いただけるよう努力してまいる所存です。

当社グループの10年業績推移

コンサルティング業界における当社のポジショニングについて

もともと船井総研グループは、小さな個人コンサルティング事務所としてスタートしました。その後1990年代は流通・サービス業向けリサーチ&マーケティング中心のコンサルティング会社に、そして2000年代は中小企業向けマーケティング中心のコンサルティング会社に、そして2010年代前半に中小企業向け総合経営コンサルティング会社となり、2010年代後半にグループ化(持株会社体制に移行)して、現在では中堅・中小企業向けの総合経営コンサルティンググループとして国内ナンバー1のポジションを築いております。
 このような、これまでのグループの歴史と、コンサルティング業界の時流、社会が求めるニーズを踏まえ、現在私どもは
①中小企業向け総合経営コンサルティング
②中小企業向けDXコンサルティング
③中堅企業向け総合経営コンサルティング
の3つのテーマに重点的に取り組んでおります。

①中小企業向け総合経営コンサルティング
中小企業向けの総合経営コンサルティングにおいては、今まで同様、常に経営者に寄り添い、重要な意思決定の場面でサポートできる戦略コンサルティングテーマを拡大してまいります。これを業種・業態別にきめ細かく行ってきたからこそ、クライアントとの関係性が強固となり、結果として、ビジネスとしても利益率が高いという私たちの強みになっております。今期は、新規業種や新規顧客の開拓に注力し、会員数増加を目指してまいります。また、すでに提供している様々なソリューションをデジタル化し、さらに進化したDXソリューションモデルとして提案してまいります。さらに、グループシナジーを生かして、顧客あたりの単価・LT V( 顧客生涯価値)の向上を目指したいと考えております。

②中小企業向けDXコンサルティング
中小企業向けDXコンサルティングにおいては、コンサルティングだけにとどまらず、システムの開発、実装、運用、保守などをワンストップ、フルラインナップで提案できるデジタル領域のコンサルティングサービスを拡充してまいります。具体的には、2021年12月発表のゾーホージャパンとの業務提携による、業種別デジタルサービスの展開やデジタル人材育成事業の開始、また2022年7月に新たに発足した「船井総研デジタル」の事業展開等により、デジタル関連領域の一層の強化を図って参ります。船井総研グループの主力である中小企業向けの経営コンサルティングと連携しながら、新たな顧客を開拓していくことにより、グループの成長性をリードする分野にしていきたいと考えております。

③中堅企業向け総合経営コンサルティング
中堅企業向けの総合経営コンサルティングにおいては、船井総研グループは他のコンサルティング会社と比べ後発の部類ですが、中堅企業からのコンサルティング依頼が増加傾向にあります。具体的には、船井総研グループの会員企業の中堅企業化に向けた各種経営テーマに関する支援や、2022年4月にTOKYO PRO MarketのJ-Adviser資格取得に伴うIPOコンサルティングの拡大、また、各地の地域金融機関との連携強化などを通じて、船井総研グループとはまだお付き合いがない中堅企業や大企業へコンサルティングを拡大してまいります。

「ゾーホージャパン」との業務提携の狙い

今後、当社グループがDX分野で存在感を示していくためには、当社グループに合ったビジネスの進め方が必要であろうと考えます。当社グループでは過去に、Google、Indeedの2社との協業関係が業績向上に大きく貢献した経緯がありますが、両社との協業がうまくいった理由の一つには、いずれもグローバル企業で、かつそれぞれの分野でNo.1を持っている企業であることが挙げられます。当社グループがこれから精力的に導入を推進する「Zoho」は、企業のIT化や業務効率の向上をサポートするクラウド型ソリューションです。類似ツールは様々ありますが、そのなかで、中小企業向けのCRMソリューションとしては、世界トップクラスです(「Zoho」は全世界に25万社以上、7,500万人以上のユーザーを有しています)。その「Zoho」と当社グループの顧客層がマッチすることが、業務提携をした理由の一つです。当社グループは既に日本で唯一の同社プライムパートナーとなっておりますが、単純にツールを紹介して終わりならばITベンダー企業と一緒で、当社グループが絡む意味がありません。当社グループにはあらゆる業種・業界の専門コンサルタントが在籍しており、中堅・中小企業向けの独自のソリューションと紐づいています。今回の「Zoho」の導入においても業種別コンサルティングと併せて提案する事で独自性あるサービスになると考えております。
 また、今回の業務提携により、「船井総研デジタル」において日本国内における「Zoho」のデジタル人材育成事業を独占的に運営することになりました。「船井総研デジタル」には、これまで「船井総合研究所」の研修オペレーションを担ってきたノウハウの蓄積があります。「Zoho」のトレーニングカリキュラムを体系化し、資格認定制度を構築・運用していくことにより、社会課題となっている中小企業におけるデジタル人材不足の解決に貢献してまいります。さらには、当社グループ自身もデジタル人財の確保に注力していますので、この「Zoho」の認定資格を取られる方のなかから、将来当社グループでともに働く仲間が生まれてくることも想定しております。

「船井総研デジタル」に期待すること

本年7月1日に事業会社2社を統合し、「船井総研デジタル」を設立いたしました。統合の最大の目的は、当社グループが今後デジタル領域へのコンサルティングを強化するために必要なデジタルの実装部分を隅から隅まで担う会社を作ることです。当社グループはこれを今後中堅・中小企業向けに広めていきたいと考えており、「船井総研デジタル」がこれを担います。現在はWEBマーケティングを中心とした営業支援受託型サービス会社の「船井総研コーポレートリレーションズ」と、システム開発会社の「新和コンピュータサービス」の2社を統合したスタート段階です。しかし、この2社の間にある隙間を埋めることでこれからのデジタル人財採用あるいはM&Aにより、組織と機能が整うと考えております。ここでの成功の鍵は優秀なエンジニアの確保にあります。それが今回の統合による事業規模の拡大に伴い、積極的採用と育成体制が整うことになりますので、今後の成長に期待しております。

ダイバーシティ&インクルージョンへの取り組み

今年3月末、事業会社「HR Force」の新社長に村田泰子が就任しました。かねてより「船井上海」の総経理を務めております郎禄媛とあわせて、当社グループ内の女性社長は2名になりました。村田は元々「船井総合研究所」のコンサルタント出身で、非常にバランスのとれた人財と評価しております。今回の経営人財の登用だけでなく、当社グループにおいては、社員に関して中長期的に2030年の女性管理職比率を30%以上、女性社員比率を40%以上にすること、また直近の採用においても新卒のコンサルタント職の女性比率を3割以上とする目標を設定いたしました。女性コンサルタントの働き方については、以前から意識して環境を整えようとしてきた部分ではありますが、コロナ禍でオンライン化が一気に進んだことによる効果が大きく出たと思います。コロナ以前は、女性コンサルタントも早朝から全国へ出張するということを毎日のように繰り返していましたから、結果的に体力勝負の男性仕事になっていました。オンラインによるコンサルティングが定着したことで、出張が減り、女性でもさほど無理することなくコンサルティングができる構造になってきました。また、外国籍の人財に関しても採用の幅を広げております。「船井総合研究所」では、2021年10月に初めてインド国籍の新卒社員を男女1名ずつ採用しており、今年も継続する予定です。これはグローバル戦略の話ともつながりますが、中国の次に人口が多いインドに対し、10年先を見越して布石を打つものです。事業会社「プロシード」でも以前から外国籍社員を採用しており、当社グループにおいては女性社長や外国籍社員はもはや特別感はなくなってきたと言っていいと思います。

今後の課題について

現在の当社グループの課題の一つは社員の定着率の向上です。昨年は、特に若手社員の離職率がやや高くなりました。その要因として考えられるのが、コロナ禍でのコミュニケーションの希薄化です。採用活動が100%オンラインで完結するようになり、入社後もオンラインでの先輩社員とのやりとりやお客様とのやりとりが続きました。本来は、面倒見のいいカルチャーが当社グループにはありますが、コロナ禍でそれがやや薄れてしまいました。この部分を調整することにより、また持続的な待遇改善、更なる働き方改革推進により、離職率を改善し、定着率を向上させていきたいと考えています。定着と同じように重要なテーマとしては、採用が挙げられますが、引き続きコンサルタントの積極的な採用に加え「船井総研デジタル」でエンジニア採用にアクセルを踏めるようになることから、グループ全体の社員数増加に貢献してくれると期待しております。

終わりに

 

来年度2023年に、新中期経営計画の発表とあわせてお知らせする計画として、現在、パーパスの策定を進めています。私たちは目の前のお客様の業績を一つ一つ上げること、経営における成果を出すことはもちろんですが、徐々に当社グループの存在感が大きくなっていくなかで、社会や経済全体の動きの中でどのような役割を担うのかを問われるようになってまいりました。私たちの仕事は、中堅・中小企業の経営者とその従業員の方のクオリティオブライフを劇的に変えひいては、企業・地域・社会に良い変化をもたらすことができる、社会的意義の非常に高い仕事だと考えております。現中期経営計画の最終年度にあたる今期は、公表している計画をしっかり達成し、そして次の未来に向けて新たなデザインをしてまいります。ステークホルダーの皆様におかれましては、今後とも一層のご理解とご支援を賜りますようお願い申し上げます。

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